アーリーリタイアを目指す独身貴族

30代独身男性です。近々FIRE(やセミリタイア)予定です。

思い切って元本保証NISAという劇薬政策を始めるのはどうか?

イントロ

SNSを見ていると世の中の大半がNISA等で積立を行っているかのような感覚を持ちますが、金融庁によると、一般、つみたて合わせてNISA口座開設数は1753万であり、日本証券業協会の資料を見ても、着実に増えていることはわかりますが、まだ全体の14%程度であり必ずしも多いとは言えない現状です。

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20221104.html

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/files/nisajoukyou/nisaall.pdf

 

野村AMの投資信託保有者へのアンケートでは、買わない理由として、お金がない、どれがいいか分からないの次に損をする可能性が高いというのがあります。

https://www.nomura-am.co.jp/corporate/surveys/pdf/20220816_C42D753F.pdf

お金がないは、まぁ頑張って働いてもらう、どれがいいかはNISA等で推奨されてるのを買えば良い(国が個別具体的な投信について、推奨や制度の対象にするかの選別をすることの是非はおいておく)として、最後の損をする可能性というのは、元本保証されている預金とされていない株式や投資信託の一番重要な違いと言っていいと思います。

 

よくSNSでは中長期的には上がるのだからショックの時に売ってはいけないと言われますが、総悲観なら売りたくなるのが自然ですし、あるいは長期では買い目線であっても、もう1段下がったところで買い直したいと思うのも自然であって、buy&holdは言うは易く行うは難しの典型でしょう。

 

長期投資の元本保証制度について

思い切ってNISA口座に長期投資をした場合、一定額(少額)については元本保証をしてみるというのはどうでしょうか?

私は基本的にはいわゆる自己責任論的な考えですし、投資は自己責任が原則だと思いますが、逆に言えばそういう行政スタンスのせいで税率10%だのidecoやNISAだのあれこれ手を打ってきた割に、あまり日本で投資が浸透してこなかったといえます。

ネットショッピングなどもそうですが、やる前は怖いと思っていても実際やってみると意外とこわくない、もっと早くしていれば良かったと感じることも多いでしょう。投資についても、グローバルに分散されていれば中長期で損をする可能性はそれほど高くはありません。やってない人は単にビビってるだけだと思いますし、正直言って500万投資して半額の250万になったところで、1年位働けばいいだけの話であり取り返しがつかないレベルではありません。

 

元本保証制度の予算感について

日本では、年金、医療、介護に110兆ほど使っているので、

https://www.mof.go.jp/zaisei/aging-society/society-security.html

雑に言って1.1億人に100万円元本保証を与えても同じくらいの予算感になります。そうはいっても社会保障1年分だと相当でかい金額ではないか?とも言えますが、あくまでこれは全損かつ全人口トータルでこのくらいになるという話です。

 

では、長期投資をした場合に元本割れする確率はどれくらいでしょうか?

 

過去記事からの引用です。表の見方、例えば行:国内株式、列:0.5は、国内株式に30年投資して、投資金額の半額以下まで落ちる確率が0.56%ということです。

 

想定するリスク・リターンの水準にもよりますが過去実績をベースにすると、レバナスのような商品以外では、中央の列=1を見れば分かる通り高々4%程度しかありませんし、下記の表は30年投資ですが、40~50年とさらに期間を伸ばす、バランス型ファンドでリスク・リターン効率が上がれば更に元本割れ確率を下げることが出来るでしょう。

 

幾何ブラウン運動から見る長期投資 - アーリーリタイアを目指す独身貴族

 

(少し高めに見積もって)仮に元本割れ確率が5%だとして、新成人が120万程度、保証をするのは40年後なので無リスク金利を2%として、

100万*120万*5%/1.02^40=27,173,424,911

なので将来のために毎年現在価値ベースで270億ほど用意すれば良いわけです。

意外と安くないですか?(消費税1%で約2兆円の税収)

(桁数とか違っていたらすみません)

 

注意点など

実際に制度をするとなると、40年投資なら元本保証をするけど、39年だと保証しないだとイマイチ感半端ないですし、利用する証券会社変更、口座移管や手数料が安い同種ファンドの乗り換え、分配コースのスイッチング等、本当に長期保有をしているのかをチェックするロジックはそれなりに詰めないといけませんが、メインの議論でないですし、営業員目線では元本保証口座と非保証があると説明が大変とかも反論ありそうですが、そういうのは本筋ではないので割愛します。