アーリーリタイアを目指す独身貴族

30代独身男性です。近々FIRE(やセミリタイア)予定です。

幾何ブラウン運動から見る長期投資

要約

各資産価格が幾何ブラウン運動に従うと仮定して、30年後平均的には何倍に増えるのか、何パーセントの確率で元本割れするのか、2倍になるのか、などを計算します

幾何ブラウン運動のおさらい

前提として各アセットクラスの価格が幾何ブラウン運動に従うと仮定します。

幾何ブラウン運動 - Wikipedia

ちゃんと理解するには、伊藤のルールとかそういう確率微分方程式の知識が必要ですが、結果や考え方自体は一般的な読者さんでも分かると思います。

私は数理ファイナンス専攻とかではないし、にわかなのでその点ご留意ください。

 

これは簡単にいうと、瞬間瞬間のリターンが正規分布に従って動いた場合にt期間たったらどういう分布になってますか?みたいな話です。リターンの方はt期間たつと正規分布ですが、アセットクラスの価格は正規分布になってるわけではないのでその点注意です。

本や資料を読む時も幾何ブラウン運動の場合だと、価格かリターンどっちの話かを区別して読み進めたほうが安全です。

 

さて、上記のwikiみれば分かるように、S_0=1とした時に、期待値はexp(\mu * t)

中央値はexp((\mu -\sigma^2/2)t)となります。中央値がこうなるのはリターンサイドはt期間たってもあくまで、正規分布だからです。シンプルに解の式で\sigma B(t)でこのB(t)の真ん中は0だから、前半だけが残るよねと考えればOKです。

 

分析基礎数値の決め方

さて、リスク・リターンをどう設定するは大事ですが、ここは適当に以下資料から

パクってきます。目で見て入れてるので若干不正確ですみません。

ただし、SP500とレバナスがないので、これは別に適当にググったものを追加します。

また、期間はとりあえず30年にしてます。

投資対象資産のリスク・リターンを押さえよう|りそなグループ

 

主要アセットクラスの期待値・中央値

これは1万円投資していたら、30年後には、新興国株なら50%の確率で14.25万円、期待値では31.5万円に増えるよという意味です。幾何ブラウン運動の場合は中央値と期待値は異なるので注意しましょう。図のRR効率はリターン÷リスクで無リスク金利が0とした場合のシャープレシオと同じです(参考に載せているだけで、計算には不要)

必ずしもRR効率がいい=中央値がいいというわけではない点も注意です。

注目が集まるところで、レバナスは中央値が株の中では高くないが期待値がいいというのは、幾何ブラウン運動の場合、連続複利ベースで増えるので、大幅ドローダウンを引かなければメチャクチャ高いリターンが発生します(右側の裾が厚い)。

一方で\mu - \sigma^2/2の後者がどうしても大きいため、中央値は伸びにくい上がって下がってというところで、いわゆる減価が発生しやすいというイメージかと思います。

 

元本割れ及び閾値を下回る確率

これは各閾値を下回る確率がどれくらいかということです。1が元本割れという意味です。0.5っていうのは100万円投資したら50万円に暴落するってことです。

 

例えば、先進国債券Hなしは先程の図表で中央値が3.02とお示ししました。これと上の図の3の列で、Hなしをみると49.51%と表示されています。つまり50%の確率で3.02になるんだから、3を下回る確率は50%弱ということですね。

あるいはSP500で10を見ると18%くらいなので、逆に言うと82%くらいの確率で10倍になるってことです。

 

債券系は低リスクなので、元本割れの確率も小さいのは当たり前でしょう。一方でSP500や先進国株式等も元本割れの確率が低いのは30年という長期で運用しているから、リターンの積み増し(中央値自体が高め)なので、少々下振れしても元本割れしないよっていう感じです。ちなみにレバナス民のためにもっと上の方の数値も掲載しておくと

こんな感じで、レバナスなら過去データベースだと、2.33%の確率で1000バガー狙えるみたいですね。すごい。。。

 

もちろん、これらは過去データのリターンやリスクが将来も続くという前提ですので、これをみてSP500が良さそうとか、OOよりもXXがいいなどと思うのは誤りです。

その場でぱっと作ってるので、エクセルの数式ミス等のせいでここおかしくね?って箇所があるかもです。